局所進行肺癌の治療と成績
左房浸潤肺癌の治療と成績
常塚 宣男
1
,
田中 伸廣
,
藤森 英希
,
松本 勲
,
清水 淳三
1石川県立中央病院 呼吸器外科
キーワード:
腫瘍侵入性
,
リンパ行性転移
,
心臓腫瘍
,
心房
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
扁平上皮癌
,
治療成績
,
未分化癌
,
Kaplan-Meier法
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Heart Atria
,
Heart Neoplasms
,
Lung Neoplasms
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasm Invasiveness
,
Treatment Outcome
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.932-936
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017404472
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1974年1月~2017年4月に経験した左房浸潤肺癌32例(男性25例、女性7例、平均年齢62±10歳)の治療成績について検討した。肺癌の占拠側は右19例、左13例であった。組織型は扁平上皮癌が17例、腺癌8例、多形癌3例、大細胞癌、腺扁平上皮癌、粘表皮癌、小細胞癌+腺癌が各1例であった。術式は肺摘除術が22例、2葉切除4例、肺葉切除5例、左管状上葉切除1例であった。全例、左房合併切除を施行した。1例で右房、2例で食道を合併切除した。術前化学療法は2例で、術後化学療法は26例で施行された。術後放射線療法は7例で施行され、いずれも化学療法との併用であった。全体の3年生存率は23.8%、5年生存率は13.7%であった。2000年以降の11例に限定すると、3年生存率は50.0%、5年生存率は36.3%であった。リンパ節転移がN0-1群では3年生存率25.3%、5年生存率18.9%であり、N2群の15.4%、7.7%に比べ良好であり、長期生存者が多く認められた。尚、腫瘍径や最大径、病理病期と予後の間には有意差はみられなかった。
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