発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013095093
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42歳女。14歳時に心尖部心室中隔と心尖部後壁に発生した2つの粘液腫の摘出術を受けた。術後28年後、臥位で増強する動悸、息切れ、咳嗽が出現した。心エコー所見では僧帽弁前尖弁輪部の有茎性の32×18mm大の腫瘍が、拍動により僧帽弁に嵌入していた。また、心房中隔の上方に広茎性の9×7mm大の腫瘍も認めた。開胸手術を行ったところ、右上肺静脈開口部に透明でゼリー状の9mmの2個の腫瘍を認め、僧帽弁前尖弁輪部に暗赤色透明寒天状の腫瘍を認めた。再発の可能性を考え、腫瘍と発生部位の心房壁を供に切除し左房側心房中隔の内膜を広範囲に可及的に切除した。病理組織所見では典型的な粘液腫の像で、粘液腫の一部は心内膜下の結合組織に散在していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012