発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009296154
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59歳女。健康診断で胸部異常陰影を指摘されたが放置し、翌年も再度指摘され近医での左房腫瘍発見で当院紹介受診となった。CEA2.7mg/dl、SLX13.3U/ml、CTで右S2に径20mmの空洞形成およびスピクラを伴う腫瘤影を認め、心臓超音波で左房内に心房中隔を基部とする表面やや不整な腫瘤を認めた。気管支胸下肺生検で低分化型腺癌と診断し、遠隔転移は認めなかった。以上より、右肺癌(S2、cT1N0M0、IA)、左房腫瘍と診断し、塞栓症を考慮して心内操作先行による一期的手術を行った。左房を切開し辺縁から切り代を確保して中隔とともに腫瘍を切除し、欠損部をパッチ閉鎖し、右上葉切除、ND2aを施行した。病理所見より右肺腫瘍は低分化型腺癌、pT2N0M0、病理病期IB期で、左房腫瘍は粘液腫であった。術後1年半現在、再発徴候はなく補助療法として5-FU製剤内服にて外来通院中であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009