臨床経験
閉鎖不全を呈した大動脈四尖弁に対する弁置換術
八神 啓
1
,
大島 英揮
,
成田 裕司
,
阿部 知伸
,
荒木 善盛
,
藤本 和朗
,
六鹿 雅登
,
寺澤 幸枝
,
伊藤 英樹
,
桑原 史明
,
碓氷 章彦
1名古屋大学 心臓外科
キーワード:
心エコー図
,
バイオプロテーゼ
,
大動脈弁閉鎖不全症
,
心臓人工弁
,
人工弁置換術
,
僧帽弁形成術
,
大動脈四尖弁
Keyword:
Aortic Valve Insufficiency
,
Bioprosthesis
,
Echocardiography
,
Heart Valve Prosthesis
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
,
Mitral Valve Annuloplasty
pp.321-324
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016224003
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症例は60~72歳の男性3例、女性1例であった。いずれも呼吸苦を主訴とした大動脈弁閉鎖不全症による心不全症状で、前医から著者らの施設へ紹介となった。術前の冠状動脈造影では全例、異常はみられなかった。1例は術前経胸壁エコーによる術前診断が可能であったが、3例は術中にはじめて大動脈四尖弁と診断された。Hurwitz分類ではtype aが1例、type bが2例、type cが1例であった。4症例とも人工弁による大動脈弁置換術が施行された。その結果、病理所見では全例で切除弁尖に粘液腫様の変性を認めた。術後経過も合併症なく経過良好で、独歩退院となった。
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