発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256270
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74歳男。5年半前に先天性二尖弁による大動脈弁閉鎖不全でFreestyle生体弁を用いた大動脈弁置換術を受け、以後経過良好であったが、労作時呼吸苦、動悸などが出現した。心エコーで左冠尖部から心尖部に到達するIV度の大動脈弁逆流を、心カテーテルでは大動脈弁閉鎖不全IV度を認めた。大動脈弁位人工弁機能不全と診断し、上行大動脈の拡張も認めたため再弁置換術+上行大動脈置換術を施行した。上行動脈を遮断、離断してFreestyle弁を観察したところ、左冠尖相当部の弁尖に亀裂を認めた。大動脈との癒着が高度で剥離困難であったため、Freestyle弁の弁尖のみを切除し、残ったカフ部分にプレジェット付き2-0 Ethibondを水平マットレス縫合で計13針かけ、Mosaic生体弁19mmを縫着した。続いて大動脈遮断下に大動脈離断部を中枢側吻合として拡大した上行動脈を切除し、Gelweave 28mmで人工血管置換した。術後経過は良好で、1年半経過しNYHA分類I度である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008