弓部大動脈瘤-こだわりの術式と遠隔期成績
弓部大動脈全置換術の早期・遠隔期成績
大村 篤史
1
,
岡田 健次
,
加納 寛也
,
坂本 敏仁
,
井上 武
,
松森 正術
,
大北 裕
1神戸大学 心臓血管外科
キーワード:
危険因子
,
胸大動脈
,
生存率
,
動脈瘤-解離性
,
脳循環
,
大動脈瘤-胸部
,
治療成績
,
比例ハザードモデル
,
大動脈置換術
,
胸骨切開術
,
Kaplan-Meier法
,
Shaggy Aorta症候群
,
脳分離体外循環
Keyword:
Aorta, Thoracic
,
Cerebrovascular Circulation
,
Aneurysm, Dissecting
,
Risk Factors
,
Survival Rate
,
Proportional Hazards Models
,
Treatment Outcome
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Sternotomy
pp.969-975
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014130603
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弓部大動脈全置換術の早期・遠隔期成績について検討した。胸骨中切開で行った弓部大動脈全置換術372例を対象とした。術後30日内死亡は6例で、病院死亡は14例であった。術後30日以降の死亡した8例中3例で、術後呼吸器合併症の長期管理の後に敗血症を発症して死亡し、残り5例は術後に重篤な疾病を発症し、これらが契機となり全身状態が悪化、多臓器不全で死亡した。一過性脳障害は28例、恒久性脳障害は8例であった。生存退院は358例で、経過中に76例が死亡した。遠隔期生存率は5年75.8±2.8%、10年66.0±3.8%であった。遠隔期死亡の危険因子分析を行い、80歳以上、緊急例、閉塞性肺疾患、慢性腎不全、術後気管切開が有意な因子であった。大動脈関連事故を、吻合部仮性瘤に対する手術、胸部下行、胸腹部大動脈瘤手術または破裂と定義すると、24例の事象が発生した。
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