急性大動脈解離の外科治療
Stanford A型急性大動脈解離に対する基部再建術の手術成績
岡本 祐樹
1
,
山本 和男
,
浅見 冬樹
,
木村 光裕
,
水本 雅弘
,
大久保 由華
,
武居 祐紀
,
吉井 新平
1立川綜合病院 循環器・脳血管センター心臓血管外科
キーワード:
心拍出量-低性
,
心膜
,
生存率
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
脳梗塞
,
脳出血
,
後向き研究
,
治療成績
,
大動脈置換術
,
Kaplan-Meier法
,
心膜パッチ
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Cardiac Output, Low
,
Pericardium
,
Retrospective Studies
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Intracranial Hemorrhages
,
Brain Infarction
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.271-275
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016223996
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著者らが手術を行ったStanford A型急性大動脈解離のうち、基部再建を要した21例を対象に、これらを術式別に基部置換術(Bentall手術)を行った9例(B群)とパッチ形成によるValsalva洞再建術を行った12例(V群)に分け、早期および遠隔成績を比較検討した。その結果、1)手術時間、体外循環時間、大動脈遮断時間、循環停止時間は両群間で有意差は認められなかったが、大動脈遮断時間はV群でやや短い傾向にあった。2)早期合併症は、B群で低心拍出症候群が2例、脳出血が1例認められた。また、V群でも脳梗塞は2例に認められたが、両群間で有意差はなかった。3)病院死亡はB群が3例、V群が1例で認められたが有意差はなかった。4)遠隔期合併症はB群で心筋梗塞が1例、V群で感染性心内膜炎が1例、心筋梗塞が1例を認められたものの、こちらも有意差がなかった。5)Kaplan-Meier法による8年生存率はB群が66.7%、V群が72.9%で、両群間に有意差はなかった。
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