臨床と研究
Stanford B型急性大動脈解離における慢性期大血管合併症の危険因子
益田 智章
1
,
末澤 孝徳
,
山本 修
,
七条 健
,
多胡 護
,
櫻井 淳
1香川県立中央病院
キーワード:
危険因子
,
再発
,
ステント
,
大動脈瘤
,
X線CT
,
動脈瘤-解離性
,
後向き研究
,
動脈瘤破裂
,
Kaplan-Meier法
,
ステントグラフト内挿術
,
偽腔(大動脈瘤)
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Risk Factors
,
Retrospective Studies
,
Recurrence
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Stents
,
Aneurysm, Ruptured
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.793-797
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298148
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急性大動脈解離110例のうち、偽腔が開存している合併症のないStanford B型大動脈解離(U-TBD)で保存的に治療した49例を対象とし、慢性期大血管関連合併症の危険因子について検討した。慢性期大動脈関連合併症を認めた25例と、認めなかった24例の患者背景、発症時大動脈径、エントリー部位、開存している偽腔長を比較した結果、慢性期大血管関連合併症の危険因子として遠位弓部大動脈にエントリーがあることと発症時最大大動脈径40mm以上が挙げられ、かつ最大径が大きいほどリスクが高かった。急性期大動脈解離に対する胸部大動脈ステントグラフトの安全性や効果について、合併症を伴うStanford B型大動脈解離の短・中期成績は良好であり、かつU-TBDでは急性期を保存的に乗り切るため治療の安全性は比較的高いと考えられるが、その適応はより慎重に検討する必要があると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014