発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016150842
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症例1は78歳男、症例2は70歳男で、いずれも労作時呼吸困難を主訴とした。両例とも胸部聴診所見ではDove-coo雑音が聴取され、精査にて高度の大動脈閉鎖不全症(AR)が判明し、生体弁による大動脈弁置換術を施行した。2例とも術後経過良好で、術後18日目に独歩退院となった。症例1では、心エコー所見で拡張期に大動脈弁右冠尖がLVOT側へ逸脱し、ARジェットにより弁尖が細動をきたしていたことから、この弁尖の細動がdove-coo雑音の音源であると考えられた。症例2では、手術所見で右冠尖の弁葉中腹部に肥厚を認め、これを支点として比較的柔軟な右冠尖弁葉が左室側に逸脱しており、この柔軟な弁尖が振動し、雑音を発生させたと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016