発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016150832
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80歳男。狭心症定期検診時の胸部X線像にて右胸部異常陰影を指摘され、当科紹介となった。精査の結果、右肺癌の診断で上葉切除+リンパ節郭清を行った。病理組織学的に原発性肺癌で、術後4日目に敗血症性ショックを呈し、術後5日目の胸腹骨盤CTにて腸管気腫を伴う門脈気腫像が確認された。腹部症状は認めなかったが、術後5日目より禁飲食とし、敗血症性ショックに対し抗菌薬、γグロブリン製剤および強心剤投与を開始し、加えて抗播種性血管内凝固治療も開始した。その後も腹膜刺激症状を認めないため内科的治療を継続し、術後7日目に全身状態は改善し、その後の経過も良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016