発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087091
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症例は58歳男性で、糖尿病、高血圧、脂質異常症の既往があった。人間ドックのX線で胸部異常陰影を指摘され受診した。血糖コントロールは不良で、X線で右下肺野に1cmの結節影を認め、CTで右S8に1.5cmの血管収束を伴う結節影を認めて肺癌疑いと診断した。胸腔鏡補助下に右S8区域切除+ND2a-1リンパ節郭清術を行った。術中迅速病理は腺癌で、リンパ節転移は認めなかった。手術当日のバイタルは安定していたが、術後第1病日にJCS I-1の意識レベルの低下を認め、第2病日に頭痛、嘔気が出現して増悪し、CTで出血性脳梗塞と診断された。3D-CTで左椎骨動脈の狭小化を認め、glycerin、edaravoneによる治療を開始して症状は徐々に改善したが、最終的に左同側半盲の後遺症を残し退院した。術後半年目に急性心筋梗塞で治療を受けたが、以後再発なく外来通院中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2015