発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004234821
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22歳男.右自然気胸と診断された.胸腔ドレナーン挿入数日後,40℃台の熱発と,全身の皮膚に掻痒を伴わないsunburn様の潮紅を認めた.右pylothoraxと思われたが,臨床経過は定型的なものではなく,抗生物質にも効果はなかった.2週間後,手足の落屑は著明になり,胸水から検出されたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌よりtoxic shock syndrome toxin-1,およびエンテロトキシンC型の産生が確認され,ショック症状を伴わないprobable toxic shock syndromeと診断した.ステロイド療法が著効した.外科的処置を施行した患者が高熱を発して急速に全身状態の悪化をきたし,特徴的な皮膚所見を認められたら,この疾患を疑うことが必要だと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004