発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006128212
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1994年からの10年間に経験した原発性非小細胞肺癌218例を対象に75歳以上の高齢者56例と74歳以下の非高齢者162例に分けて術前背景因子,手術成績,合併症,予後について検討した.高齢者群は平均77.9±2.4歳,非高齢者群は平均64.8±8.4歳で,高齢者群は慢性閉塞性肺疾患(COPD)が有意に多く,術前呼吸機能は高齢者群でFEV1.0%のみ低下していた.両群とも臨床病期はI群が80%以上を占めた.術式の差はなかったが,高齢者ではリンパ節郭清の範囲は省略した症例が多かった.組織型,病理病期では両群間に大差を認めなかった.術後合併症では,高齢者では肺瘻と膿胸が有意に多かった.在院死亡例は高齢者群では1例,非高齢者群では2例であったが,いずれも感染症死であった.長期成績を比較すると,高齢者群では53例を2~10ヵ月間観察し,非高齢者では155例を2~117ヵ月観察し,5年生存率は4群71.4%,B群67.3%であり有意差を認めなった
©Nankodo Co., Ltd., 2006