肺癌の集学的治療2008年
術前療法が奏効して完全切除が行えた局所進行非小細胞肺癌
葛城 直哉
1
,
白石 裕治
,
喜多 秀文
,
砥石 政幸
,
恩田 貴人
,
田中 さゆり
1結核予防会複十字病院
キーワード:
Cisplatin
,
Etoposide
,
肺切除
,
リンパ節郭清
,
肺癌-非小細胞
,
治療成績
,
ネオアジュバント療法
,
Docetaxel
,
Vinorelbine
,
Tegafur-Uracil
,
TS-1
,
放射線化学療法
,
胸部CT
Keyword:
Carcinoma, Non-Small-Cell Lung
,
Cisplatin
,
Etoposide
,
Lymph Node Excision
,
Pneumonectomy
,
Treatment Outcome
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
,
Vinorelbine
,
Docetaxel
pp.9-14
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008133504
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2003年6月から2年間において著者らの施設を受診したIII期局所進行非小細胞肺癌のうち、bulky N2、multistation N2またはN3のため初診時切除不能と診断された症例で、(放射線)化学療法が奏功し完全切除が行えた8症例(42~72歳、平均61歳)について検討した。その結果、1)全例の初回治療後の生存期間中央値(MST)は16ヵ月で、Japan Clinical Oncology Groupの放射線化学療法と同等の成績であった。2)1年生存率は63%、2年生存率は25%であった。しかし、初診時切除不能と診断された局所進行非小細胞肺癌は(放射線)化学療法が奏功して完全切除が行えたとしても、必ずしも生存率の向上にはつながらないことが考えられた。3)但し、pN0とycN0例の初回治療後MSTが31、22ヵ月で、pN1~3とycN2例に比べて有意に予後良好であったことから、これらの症例が選択できれば、手術を含めた集学的治療が切除不能III期局所進行非小細胞肺癌の治療成績向上に寄与する可能性が示唆された。
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