発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008116833
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62歳女。患者は2001年重複肺癌に対し胸腔鏡補助下に右上葉切除術+S8区域切除術を受けた。外来経過観察となっていたが、2006年1月のCTで葉間腫瘤を認めるようになり、4月には右下葉に新たな腫瘍陰影が確認された。表在リンパ節腫脹、腫瘍マーカーの上昇は認めず、またスパイロメータ、血液ガス分析でも異常を認めなかった。だが、胸部X線では右中肺野に径約2cm大の結節影を2個認め、CTでは右中下葉間ステープル近傍に約20mmの葉間腫瘤認められた。そして、その尾側には約15mm大の類円形結節が認められた。以上より、肺癌再発を疑い、右下葉部分切除術および腫瘍摘出術が行われた結果、術中迅速病理診断では両者とも悪性所見を認めず、抗酸菌感染の疑いであった。摘出標本は嚢胞性病変と充実性病変が混在し、内容は膿性であった。しかし、病理組織学的所見によりMycobacterium aviumが検出され、本症例はMycobacterium avium complex症と診断された。術後経過は良好で、現在9ヵ月経過で新たな病変も認めず、外来経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007