発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009150022
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65歳男。狭心症に対して3枝冠状動脈バイパス術を施行した。術後冠状動脈造影で右冠状動脈(RCA)#3に不整を認めたが、有意狭窄はなかった。自己判断で外来通院と内服薬を中止した。術後8年、運動中に胸痛が出現し、心筋梗塞(AMI)の診断で入院した。RCAを支配領域とする下壁のAMIの診断で、RCA#3:100%狭窄に対してAMI発症約3時間後に経皮経管的血管形成術を施行してRCA#3は0%に改善した。循環・呼吸状態ともに安定していたが、経皮的冠状動脈形成施行後9時間頃より血圧低下、胸骨左縁第3肋間に収縮期駆出性雑音が出現した。AMI後心室中隔穿孔(VSP)と診断した。内科的治療にて状態の安定をまったが、肺うっ血が進行して循環・呼吸ともに改善の傾向は認められなかったため、VSP発症後4日目に準緊急手術治療となった。術後27日目に経過良好にて退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009