発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016030703
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左室駆出率(LVEF)40%以下の低心機能例に対し冠状動脈バイパス術を施行した31例を対象とし、末梢吻合数5枝以下17例(A群)と6枝以上14例(B群)の2群に分類し、術前患者背景因子、術中・術後因子、術前後のエコー所見、累積グラフト開存率、累積生存率を比較した。LVEFの評価は経胸壁心エコーでのSimpson法を基本としたが、心内腔の描出が悪い場合などはTeichholz法で行った。その結果、手術死亡例はなかったが、在院死亡をB群の1例に認めた。術後合併症、累積グラフト開存率、累積生存率は両群間に有意差は認めなかった。術前後の経胸壁心エコーにおいて、B群はA群に比べてLVEFの改善度、LVEFの改善比率、LVEFが術後に5%以上改善した症例数の比率が有意に高かった。B群は冠状動脈病変数が多く、血行再建可能部位が多かったため、LVEFの改善に繋がったと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015