臨床と研究
血清シアル化糖鎖抗原(KL-6)高値肺癌手術例における肺組織KL-6染色性の解析
八柳 英治
1
,
佐藤 一博
,
佐藤 啓介
1帯広病院
キーワード:
回帰分析
,
血清学的検査
,
腫瘍マーカー
,
術前診断
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
分散分析
,
扁平上皮癌
,
免疫組織化学
,
KL-6抗原
,
肺炎-間質性
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Analysis of Variance
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Immunohistochemistry
,
Lung Neoplasms
,
Serologic Tests
,
Regression Analysis
,
Biomarkers, Tumor
,
Lung Diseases, Interstitial
,
MUC1 Protein, Human
pp.815-819
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016030704
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肺癌手術前の血清シアル化糖鎖抗原(KL-6)が500U/ml以上の34例を対象に、血清学的検討として術前KL-6値を電気化学発光免疫測定法で測定した。また、組織学検討としてHE染色で背景肺組織の間質性肺炎(IP)の有無を評価し、更にKL-6免疫組織染色によりIP領域と腫瘍組織におけるKL-6染色性の評価を行った。その結果、組織学的にIPを認めたのは22例(64.7%)であった。IP合併例の中でも、IP領域のKL-6染色性が非IP領域より強い症例(強発現群)と、非IP領域と差がない症例(弱発現群)が存在し、強発現群は弱発現群より年齢と喫煙指数が有意に高かった。腫瘍内のKL-6染色性は32例(94.1%)が陽性で、32例中IP合併例は20例で、いずれもIP領域より腫瘍領域のKL-6染色性の方が強かった。重回帰分析を行ったところ、血清KL-6値とIP合併の有無、IP領域のKL-6染色性、腫瘍組織内のKL-6染色性、腫瘍径、病理期間はいずれも有意な相関を認めなかった。
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