肺移植における周術期・遠隔期の課題 慢性期移植肺機能不全と悪性腫瘍
肺移植後悪性腫瘍発症例の検討
田中 里奈
1
,
陳 豊史
,
土屋 恭子
,
濱路 政嗣
,
本山 秀樹
,
青山 晃博
,
伊達 洋至
1京都大学 呼吸器外科
キーワード:
易感染性宿主
,
胃腫瘍
,
膠芽腫
,
生存率
,
腺癌
,
乳房腫瘍
,
脳死
,
肺移植
,
肺腫瘍
,
リンパ腫-びまん性大細胞型B細胞性
,
後向き研究
,
治療成績
,
リビングドナー
,
Kaplan-Meier法
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Brain Death
,
Breast Neoplasms
,
Glioblastoma
,
Lung Neoplasms
,
Retrospective Studies
,
Stomach Neoplasms
,
Survival Rate
,
Lymphoma, Large B-Cell, Diffuse
,
Lung Transplantation
,
Immunocompromised Host
,
Treatment Outcome
,
Living Donors
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.935-939
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017028491
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当科で肺移植を行った120例を対象に、肺移植後の悪性腫瘍の発症頻度と予後について検討した。その結果、移植後の悪性腫瘍の発症頻度は14例(11.7%)で、移植後リンパ増殖性疾患が8例、固形臓器の悪性腫瘍が6例であった。術式別の発症頻度は、生体肺移植後が7例11.3%、脳死肺移植後が7例12.1%と同程度であった。肺移植から悪性腫瘍発症までの中央値は14.5ヵ月であった。悪性腫瘍発症例の5年生存率は39.3%で、非発症例の71.4%と比べ有意差はないものの予後不良な傾向であった。肺移植例のうち、術前に悪性腫瘍の既往のある症例は26例(21.7%)であった。術前悪性腫瘍既往例では5例19.2%で術後悪性腫瘍を発症しており、非既往例の発症率9.6%より高い傾向であった。
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