虚血性心筋症に対する外科治療戦略
虚血性重症僧帽弁逆流に対する外科治療戦略 弁輪形成術と自己弁温存弁置換術の比較
吉田 和則
1
,
井上 武
,
宗像 宏
,
南 一司
,
岡 隆紀
,
岡田 健次
,
大北 裕
1西宮渡辺心臓・血管センター 心臓血管外科
キーワード:
一回拍出量
,
心臓容積
,
僧帽弁
,
後向き研究
,
治療成績
,
人工弁置換術
,
僧帽弁形成術
,
Kaplan-Meier法
,
虚血性僧帽弁逆流
Keyword:
Cardiac Volume
,
Mitral Valve
,
Retrospective Studies
,
Stroke Volume
,
Treatment Outcome
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Mitral Valve Annuloplasty
pp.963-967
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012139099
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虚血性心筋症に伴った重症機能性僧帽弁閉鎖不全症に対し、自己弁温存弁置換術を施行した18例(男11例・女7例・平均73.6±7.7歳;MVR群)と、弁輪形成術施行25例(男23例・女2例・平均67.4±10.0歳;MAP群)の成績を比較した。術前データの比較ではNYHA分類III度以上の症例数、僧帽弁閉鎖不全、僧帽弁逆流量でMVR群の方が有意に高かった。病院死亡は4例(MVR群2例・MAP群2例)で、11例に植込み型除細動器、左室再同期療法を要した。Kaplan-Meier法による5年生存率はMVR群72.3%、MAP群69.7%、5年のmajor adverse cardiac cerebrovascular event回避率はそれぞれ62.7%、56.8%と有意差はなかった。遠隔期僧帽弁逆流はMVR群0、MAP群平均0.6±1.0で、MR≧II度の再発はMAP群で4例に認め、再手術を1例に行った。遠隔肺動脈圧はMVR群平均43.9±17.0mmHg、MAP群41.6±15.2mmHg、遠隔BNP値はそれぞれ470±175pg/dl、473±235pg/dlで、両群とも良好な改善を認めた。左室駆出率、拡張末期/収縮末期容積係数、心筋重量も同様に改善し、左室形態(楕円体率)の改善を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011