胸部外科の指針
肺切除術当日の超早期離床と経口摂取開始の実施可能性評価
原田 洋明
1
,
山下 芳典
,
半田 良憲
,
坪川 典史
,
竹中 千恵
,
三隅 啓三
,
窪田 真喜子
,
中尾 淳一
,
高濱 みほ
,
道広 博之
,
有長 織恵
,
横井 香平
,
千田 雅之
1国立病院機構呉医療センター中国がんセンター
キーワード:
術後合併症
,
術前管理
,
摂食
,
せん妄
,
低血圧
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
早期離床
,
チーム医療
,
術後悪心・嘔吐
,
実現可能性研究
Keyword:
Delirium
,
Early Ambulation
,
Eating
,
Feasibility Studies
,
Hypotension
,
Lung Neoplasms
,
Postoperative Complications
,
Patient Care Team
,
Preoperative Care
,
Pneumonectomy
,
Postoperative Nausea and Vomiting
pp.801-808
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016030702
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肺癌(原発性肺癌および転移性肺腫瘍)に対し、肺切除後の手術当日に医師、看護師、理学療法士による多職種チーム体制のもとで段階的な離床を行い、さらに術当日夕食から全粥食を摂取する取り組み(本法)を行った。本法を行った連続64例を対象として、達成率、達成できなかった理由、誤嚥性肺炎・肺血栓塞栓症・術後せん妄の発生率を検討した。その結果、早期離床については、肺切除全体では64例中51例(80%)、うち肺葉切除例では28例中21例(75%)で達成できた。離床困難となった理由は、血圧低下、嘔気、ふらつき感などの気分不良、疼痛などであった。食事摂取については、術当日の夕食は64例中34例(53%)、うち肺葉切除例では28例中12例(43%)で通常摂取量の半分程度が摂取できた。術翌日の朝食は肺切除例全体の83%(うち肺葉切除例では75%)で通常摂取量の半分程度を摂取できた。誤嚥性肺炎や肺血栓塞栓症、術後せん妄は認めなかった。
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