転移性肺腫瘍の外科治療
腎癌肺転移切除例の検討
櫻庭 幹
1
,
田中 明彦
,
三品 泰次郎
,
関 利盛
1札幌市立札幌病院
キーワード:
リンパ行性転移
,
腎細胞癌
,
生存率
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
オッズ比
,
後向き研究
,
治療成績
,
比例ハザードモデル
,
無病生存
,
腫瘍量
,
Kaplan-Meier法
Keyword:
Carcinoma, Renal Cell
,
Lung Neoplasms
,
Lymphatic Metastasis
,
Pneumonectomy
,
Retrospective Studies
,
Survival Rate
,
Proportional Hazards Models
,
Odds Ratio
,
Treatment Outcome
,
Disease-Free Survival
,
Tumor Burden
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.275-278
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013219791
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腎癌切除後の肺転移22例(男性18例、女性4例、年齢39~79歳、平均年齢63歳)に対し計30回の切除手術が行われた。今回、その治療成績および予後因子を検討した。1)手術術式は肺葉切除5例、楔状切除25例であり、リンパ節郭清は10例に施行され、うち2例で肺門リンパ節転移が認められた。また手術回数は1回が15例、2回以上が7例で、転移性肺腫瘍術後にINF、分子標的薬など何らかの治療が行われた症例は13例(59%)であった。2)肺転移巣切除後の5年生存率は35%、10年生存率は26%であった。一方、現在、無再発生存は5例(最長147ヵ月)で、担癌生存は3例であった。尚、肺門リンパ節転移を認めた2例はそれぞれ19ヵ月後、148ヵ月後に癌死していた。3)多変量解析を行なったところ、有意な予後予測因子は無再発期間のみであり、無再発期間が24ヵ月以上の症例の予後は24ヵ月未満の症例と比べ有意に良好であった。
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