症例
責任血管同定に苦慮した肺仮性動脈瘤の1例
小谷 美香
1
,
大内 泰文
,
矢田 晋作
,
足立 憲
,
遠藤 雅之
,
塚本 和充
,
松本 顕佑
,
小川 敏英
1鳥取大学 医学部画像診断治療学分野
キーワード:
デジタルサブトラクション血管造影
,
胸部X線診断
,
塞栓術
,
肺動脈
,
動脈瘤-偽性
,
三次元イメージング
,
CT血管造影
,
胸部CT
Keyword:
Computed Tomography Angiography
,
Embolization, Therapeutic
,
Pulmonary Artery
,
Radiography, Thoracic
,
Angiography, Digital Subtraction
,
Aneurysm, False
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.321-325
発行日 2017年2月10日
Published Date 2017/2/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017145743
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症例は80歳代男性で、喀血と発熱で受診し、肺炎の診断で入院し抗菌薬にて加療した。その後解熱し、炎症反応も改善していたが、入院7日目に再度喀血した。気管支鏡にて右中葉支に凝血塊を認め、アドレナリン・トロンビンを散布した。14日後の造影CTで中葉に10mm大の仮性瘤を認めた。胸部単純写真所見では、右中〜下肺野に右心縁および縦隔側横隔膜とのシルエットサイン陽性の浸潤影を認めた。胸部単純CT所見では、右S5に右室および横隔膜と接して浸潤影を認めた。胸部造影CTおよび3D再構成画像所見では、右S5の浸潤影内に円形の低吸収域を認め、内部には10mm大の脈管と同程度に造影される結節を認めた。肺炎に起因した肺仮性動脈瘤と診断し、血管造影による塞栓術の方針とした。追跡CTで仮性動脈瘤は残存し、徐々に貧血の進行を認めた。セレスキュー細片で塞栓術を施行した。塞栓後より喀血は消失した。塞栓術後3ヵ月の造影CTでは浸潤影は残存するものの、肺仮性動脈瘤は描出されず、器質化しているものと考えられた。
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