臨床経験
卵巣顆粒膜細胞腫術後11年目に行った肺転移切除
松井 浩史
1
,
大宮 英泰
,
高見 康二
,
三嶋 秀行
,
伴 建二
,
児玉 良典
,
栗山 啓子
,
関本 貢嗣
1国立病院機構大阪医療センター
キーワード:
顆粒膜細胞腫
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
胸部CT
Keyword:
Granulosa Cell Tumor
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
pp.904-907
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015000773
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69歳女。約11年前に左卵巣顆粒膜細胞腫に対し左卵巣摘出術、更に残存病変の摘除を目的に低位前方切除術、大網部分切除術、左付属器摘出術を伴う骨盤内転移巣摘出術を受け、以後経過観察されていた。今回、CTで肝S6/7被膜下に40×20mmの腫瘤性病変を、更に左肺S3に13mm大の結節影を認めた。肝表面の病変はFDG-PETで有意な集積を認め、肝転移再発を疑い手術を行い、卵巣顆粒膜細胞腫の腹膜播種再発と判明したため播種巣を切除した。その後、肺結節影の増大を認め、肺転移疑いで当科紹介となり、胸腔鏡併用小開胸下に腫瘍を含む左肺S3部分切除術を行った。腫瘍は辺縁明瞭、割面は白色充実性であった。病理組織所見は核溝を有する腫瘍細胞が索状あるいは島状に配列し、原発巣や腹膜播種巣と同様の組織像であったことから、卵巣顆粒膜細胞腫の肺転移と診断した。術後経過は良好で、術後21ヵ月の現在まで再発は認めていない。
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