手術の工夫
多発外傷を伴った胸部大動脈破裂に対する経皮的心肺補助下人工血管置換術
岡田 修一
1
,
江連 雅彦
,
金子 達夫
,
安野 誠
,
長谷川 豊
,
木村 知恵里
,
小此木 修一
,
滝原 瞳
,
立石 渉
,
伊達 数馬
,
田村 智紀
,
内藤 敬嗣
1群馬県立心臓血管センター
キーワード:
胸大動脈
,
胸部X線診断
,
胸部外傷
,
交通事故
,
人工心肺
,
大動脈破裂
,
多発性外傷
,
緊急手術
,
大動脈置換術
Keyword:
Accidents, Traffic
,
Aorta, Thoracic
,
Aortic Rupture
,
Heart-Lung Machine
,
Multiple Trauma
,
Radiography, Thoracic
,
Thoracic Injuries
pp.891-894
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015000770
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20歳男。オートバイで走行中に自動車と衝突して跳ね飛ばされ、外傷性胸部大動脈破裂、左大腿骨骨折、腸骨骨折と診断された。胸部X線で心胸郭比50%、上縦隔の拡大を認め、両側肺野の透過性低下はなかった。また、造影CTで遠位弓部大動脈に外傷性大動脈解離破裂を認めた。外傷性大動脈解離破裂と診断し、破裂部位と年齢を考慮してステントグラフト内挿術は選択せず、開胸による人工血管置換術を行った。その際、heparin化による活性化凝固時間(ACT)の著明な延長は他臓器の出血性ショックを合併する危険があるため、ACTの過度の延長を避ける目的で経皮的心肺補助装置による体外循環を行った。術後経過は良好で、術当日に人工呼吸器を離脱し、出血による他臓器の合併症は認めなかった。術後11日に左大腿骨骨折に対し手術を行い、術後51日に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014