胸部・気道損傷の治療
気管・気管支・肺の損傷 鈍的胸部外傷による気道損傷
岡林 寛
1
,
濱武 大輔
,
吉田 康浩
,
中島 裕康
,
白日 高歩
,
山崎 繁通
1国立病院機構福岡東医療センター 呼吸器外科
キーワード:
医学用イラストレーション
,
気道疾患
,
胸部X線診断
,
胸部外傷
,
交通事故
,
人工心肺
,
鈍傷
,
気管気管支形成術
Keyword:
Accidents, Traffic
,
Heart-Lung Machine
,
Medical Illustration
,
Respiratory Tract Diseases
,
Radiography, Thoracic
,
Wounds, Nonpenetrating
,
Thoracic Injuries
pp.1001-1005
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007020967
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1988~2002年に経験した鈍的胸部外傷(非開放性外傷)による気道損傷9例(男6例、女3例、15~46歳、平均26.1歳)を対象に臨床的検討を行った。受傷原因は交通事故7例、重機による労働災害2例であった。意識障害を呈した2例を除き、呼吸困難感を5例に認めた。胸痛は5例、血痰は2例に認められた。胸部単純X線所見として皮下・縦隔気腫を7例に、気胸を8例に認めた。肋骨骨折を伴わないのは3例のみであった。肺挫傷、外傷性クモ膜下血腫、背椎損傷、内臓破裂、四肢骨折、出血性ショックなど多岐にわたる合併損傷を認めた。気道形成術後1週間で急性呼吸促迫症候群で死亡した1例は両側肺挫創、頭部外傷、外傷性クモ膜下出血、四肢骨折を合併していた。5例に気管支形成術を施行し、気管支膜様部形成と右肺摘除を1例、左肺摘除を1例に施行し、その他の2例は損傷程度が軽く保存的に治療できた。右主気管支断裂に左肺挫傷を伴った1例では、呼吸状態が悪く、手術開始時から補助的に経皮的心肺補助装置を導入して、気管支形成により再建・修復しえた。
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