発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014367324
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60歳男。約1年半前、他院で大動脈弁置換術および僧帽弁置換術(SJM弁27mm)を受けていた。今回、抜歯治療後に発熱が出現し、僧帽弁位の人工弁に疣贅がみられ、血液培養でメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が検出された。心不全がないためvancomycinを投与されたが、第21病日に突然の急性循環不全に陥り当院へ救急搬送された。X線で著明な肺水腫を認め、超音波で僧帽弁位の人工弁がはずれて動揺し、著明な僧帽弁逆流を認めた。ショックを伴う人工弁感染と診断し、緊急に人工弁の再置換術を行った。人工弁は前回縫着時のプレジェットが付いたまま約2/3周ほど弁輪からはずれており、10mm大の疣贅を認めた。弁輪自体の破壊は軽微で、弁輪にプレジェット付き2-0 Ticron糸をかけSJM弁29mmを縫着した。術後はlinezolidを4週間投与し、感染の再燃なく独歩により退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014