発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006131496
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大動脈弁狭窄症は,退行性変性によるものの割合が増えている.退行性変性の進展には,動脈硬化と同様の機序が関与していると考えられており,高齢化や生活スタイルの欧米化などは,その進展に影響を与える因子である.大動脈弁狭窄症の重症度評価には,心エコー図・ドプラ法がきわめて有用であり,かつてのように心カテーテル法が第一選択ではなくなってきている.ただし,冠動脈疾患や他の弁膜症の合併や,手術を前提とした場合は,心カテーテル法の適応となる.内科的治療には限界があり,重症例では外科的治療が第一選択となる.とくに心不全,狭心症,失神など自覚症状がある例では,大動脈弁置換術を第一に考慮すべきである.症状のない重症例での外科的治療の適応が問題となるが,大動脈弁狭窄症は進行性疾患であることを勘案すれば,慎重な経過観察が重要であり,数年以内に明らかな手術適応となることがまれでない
©Nankodo Co., Ltd., 2006