発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298161
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2歳男児。顔面浮腫を主訴とした。心拡大と高血圧にて紹介受診し、入院時の血液検査では炎症反応の上昇や腎機能障害は認めなかったが、尿蛋白陽性であった。胸部X線では心胸郭比70.5%であり、心エコー検査では各種弁機能は正常で明らかな心内異常はみられなかったが、高度左心機能低下と胸部下行大動脈の狭窄を認めた。胸腹部造影CTでは胸部下行大動脈に壁肥厚を伴う最狭部で2mmの狭窄を認めたが、頸部分枝、腹部分枝に明らかな狭窄は認めず、mid-aortic syndromeと診断して手術を行った。麻酔導入後の上下肢血圧差は最大60mmHgであり、狭窄部頭側は癒着が強く、端々吻合は困難と判断してパッチ拡大術を行い、解除後の上下肢血圧差は10mmHg以下となった。血管炎の関与を完全否定できなかったため、aspirin内服を継続しているが、術後2年9ヵ月経過時点で狭窄や瘤化は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014