発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015206414
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45歳男。胸部CTで下大静脈の拡張および胸水の貯留を認めた。胸部X線所見では、心胸郭比60%と拡大し、両側に軽度胸水が貯留していた。胸部12誘導心電図所見では、心房細動を認めたが、低電位はなく、ST-T変化もなかった。経胸壁エコー所見、心周囲のエコー輝度が上昇していた。心室中隔は奇異性運動を呈し、右室前面、左室後方に心嚢液が貯留し、両心房も拡大していた。下大静脈は30mmに拡大し、呼吸性の変動も消失していた。胸部CT所見では、右室表面を中心に心外膜が肥厚・石灰化し、心嚢液の貯留を伴った。収縮性心膜炎と診断し、心膜剥皮術を行った。切除した心外膜の病理検査では、膠原線維が肥厚し一部石灰化していたが、非特異的な炎症と判断した。後日、残存した心房細動にはカテーテルアブレーションを追加し、洞調律への復帰を確認した。術後2年現在、再発の徴候もなく経過している。
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