発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014244269
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55歳男。呼吸苦で受診し、心臓エコー検査で大動脈弁閉鎖不全症を指摘された。経胸壁心エコー所見では、重度大動脈弁閉鎖不全、左室、左房の拡大、左室収縮能の低下を認めた。経食道心エコー所見では、大動脈弁輪径2.2cm、Valsalva洞径5.7cm、上行大動脈径4.1cmと拡大を認め、卵円孔開存も確認した。大動脈基部拡張症に伴う重度大動脈弁閉鎖不全症の診断で手術を行った。術後3日目からワーファリンの内服を開始し、ワーファリンを増量したが抗凝固効果が得られなかった。術後10日目ことから発熱を認め、縦隔洞炎の可能性を考慮してバンコマイシン、ゲンタマイシン、リファンピシンを開始した。術後15日目に血液培養でMRSAを検出し、バンコマイシンをセファゾリンに変更した。術直後から内服していた酪酸菌製剤の内服を中止し、PT-INRは延長傾向に転じた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014