発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015395175
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69歳女。10年前より僧帽弁閉鎖不全症(MR)を指摘されており、3ヵ月前から労作時呼吸苦が増悪した。心胸郭比52.3%で、心エコーで中等度の大動脈弁閉鎖不全およびMR、高度の三尖弁閉鎖不全を認めた。以上より、大動脈弁置換術、僧帽弁形成術および三尖弁形成術を予定した。術前3D-CTより送血部位、大動脈遮断部位などを検討し、胸骨下端から第2肋間右縁までの胸骨下部部分切開で手術が可能と判断し、低侵襲心臓手術を行った。僧帽弁は弁尖逸脱を認め、人工腱索を縫着した後にCG Future Bandを縫着した。次に、大動脈を斜切開しTrifecta弁による大動脈弁置換術を行った。三尖弁にはTailor Bandを縫着した。手術時間6時間15分、人工心肺時間258分、体外循環時間208分、無輸血で手術を終了した。術当日に人工呼吸器を離脱し、翌日にはICUから退室し、術後心エコーで弁逆流はなく、心機能も良好で、術後11日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015