手術の工夫
広範な大動脈弁輪破壊を伴う活動期人工弁感染例への異種心膜を用いた弁輪再建法
磯村 彰吾
1
,
椎川 彰
,
細田 進
1仙台循環器病センター 心臓血管外科
キーワード:
結紮
,
心膜
,
僧帽弁
,
大動脈弁
,
ブドウ球菌感染症
,
縫合法
,
心臓人工弁
,
人工弁置換術
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
Coagulase-Negative Staphylococcus
,
心内膜炎-人工弁
Keyword:
Aortic Valve
,
Heart Valve Prosthesis
,
Ligation
,
Mitral Valve
,
Pericardium
,
Suture Techniques
,
Staphylococcal Infections
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
pp.1056-1060
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014063373
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症例1は76歳男性で、74歳時に大動脈弁閉鎖不全症(AR)、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症に対する生体弁による2弁置換+三尖弁輪形成術の既往があった。今回、発熱、腰痛を主訴に、TEE所見で人工弁感染性心内膜炎(PVE)を指摘され、手術目的に当院紹介となった。症例2は64歳男性で、61歳時にAR、心房細動に対する機械弁による大動脈弁置換術+maze手術があり、今回、発熱と労作時息切れを主訴に、近医のTEEでPVEを指摘され、当科紹介となった。精査の結果、いずれの症例も弁輪部膿瘍を合併したPVEと診断し、感染組織を広範切除し、感染組織郭清後の広範な弁輪欠損に対しては異種心膜を用いた弁輪再建を行った。いずれも血液培養よりCNS、MRSAが検出されたため、バンコマイシンを術後6週間継続し、症例1は術後53日目にリハビリテーション目的に転院し、症例2は術後68日目に独歩退院となった。それぞれ術後25ヵ月、14ヵ月経過した現在、感染の再発なく良好に経過している。
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