発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013179912
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症例は34歳女性で、発熱、膝の痛みを主訴に当院を受診し、熱源不明のまま消炎鎮痛薬と抗生物質投与を受けるも改善せず、1週間後の心エコー・血液培養にてMSSAによる感染性心内膜炎(IE)と診断され入院となった。入院時よりCEZ、GMの投与を開始したが、入院5日目の心エコーにて疣贅の拡大を認め、更に脳MRIで左内包前脚に急性脳梗塞像が出現した。CLDMを追加投与し、徐々に感染コントロールが得られたため、初回抗生物質投与後10日目にIEに対し低侵襲心臓手術を行った。術後の経過は良好であったが、術後5日目に眼のかすみと頭痛が出現し、脳CT・MRA・血管造影にて右中脳動脈の角回動脈分枝に感染性脳動脈瘤破裂による脳出血を認めたため、緊急開頭クリッピング術を行った。病理所見は感染性脳動脈瘤に矛盾しない所見であり、その後の経過は良好で神経学的後遺症は認めず、開心術後38日目に退院となった。
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