発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013305792
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症例は34歳男性で、突然右下肢痛としびれを自覚し、右大腿動脈の急性閉塞の診断で塞栓除去術が行われ、塞栓物の病理診断は悪性腫瘍(未分化肉腫)であった。心エコーで僧帽弁に33×23mmの腫瘍を認め、心臓原発悪性腫瘍の診断で入院した。X線で肺、肝臓、脳に転移所見はなく、骨盤腔にも腫瘤や腹水は認めなかった。胸部MRIで左房心室側から左室流入路にかけて32×23×18mm大の腫瘤を認め、T1強調画像で心筋と等信号、T2強調画像で高信号を示した。心エコー所見では腫瘤は僧帽弁後尖に付着し、多房性で内部は斑状に輝度が低く、一部高かった。僧帽弁閉鎖不全は認めず、心機能は良好であった。開胸術を施行し、腫瘍は僧帽弁後尖の2/3を占め、白黄色で表面は平滑、3房の形態を呈していた。僧帽弁前尖、後尖を全て切除し、迅速病理検査で断端は陰性であった。SJM 31mm弁を用いて僧帽弁置換術を施行し、術後7年経過して再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013