発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004199706
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症例1(66歳男).化膿性脊椎炎で加療中に食欲低下,上腹部痛が出現し,胸部X線像上のうっ血所見と心臓超音波検査所見から感染性心内膜炎と診断した.利尿剤投与にて心不全症状は改善したが,炎症の遷延と疣贅の増大のため緊急手術を行い,大動脈弁および僧帽弁置換術を施行した.術後は脳膿瘍を指摘されたがおおむね良好に経過した.症例2(53歳男).化膿性脊椎炎にて加療するも発熱が続いた.心不全症状はなかったが起因菌検索,心臓超音波検査所見より齲歯から波及した感染性心内膜炎と診断し,歯科治療と抗生物質投与を行った.大動脈弁の疣贅増大と逆流進行のため,待機的に大動脈弁および僧帽弁置換術を施行し,術後は順調に経過した.2例は腰痛を主訴とし,心臓超音波検査では大動脈弁と僧帽弁に疣贅付着や逆流を認めた.症例1では脊椎生検にてStaphylococcus auricularisが,症例2では血液からStaphylococcus oralisが検出された
©Nankodo Co., Ltd., 2004