発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013305779
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Starnes手術を行った新生児重症Ebstein奇形4例(男1例、女3例、平均日齢4.3日)において、術前CTによる肺容積と肺血流量について検討した。体重やX線像による心胸郭比は各症例間に大きな差はなかったが、右肺容積は39.9~80.2ml、左肺容積は24.5~57.5ml、全肺容積は64.4~128.4mlと差を認め、体重で補正しても症例によるばらつきが多かった。術中の肺血流の供給は、いずれも右側のBlalock-Taussigシャント変法により径3.0mmまたは3.5mmのePTFEグラフトで行ったが、2例では循環動態安定のためクリップにより断面積を3/4~2/3程度にする肺血流制限が必要であった。他の1例では3.0mmグラフトでは不足し、53日目に3.5mmの追加シャントを要した。最も肺容積が少なかった1例は低酸素血症のため術後1日目に体外肺補助を必要とし、いったん離脱できたが低酸素血症は遷延して術後46日目に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013