発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005175815
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75歳女性.患者は嘔気・嘔吐を主訴に近医を受診,急性心筋梗塞の診断で救急搬送された.冠状動脈造影で#4後下行枝,#7・#11・#13に狭窄を認め,大動脈内バルーンパンピング(IABP)を挿入,IABP離脱後に退院したが,その2ヵ月後に胸部不快感と動悸で救急搬入された.X線では心胸郭比78%,肺うっ血を認め,心エコー図では心嚢内に心嚢液貯留と前回梗塞部の後壁に心室瘤を認めた.この心室瘤は頸部を介して左室と交通し,ドプラでは頸部にto and froの血流を認めた.また,左室造影では後下壁に左室内腔と交通する仮性心室瘤を認め,以上より手術を行った.後下壁には5cm大の瘤が確認され,内部には器質化した血栓が充満し,左室腔内とスリット状の頸部を介して交通していた.血栓を除去し瘤内,左室内洗浄後に瘤部をHemashieldグラフトのパッチで閉鎖した.術後30ヵ月経過現在,外来経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005