発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010199013
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
8ヵ月男児。他院での妊娠経過観察中の在胎30週に口唇口蓋裂、四肢短縮、Dandy-Walker症候群を疑われ当院紹介受診した。経腟分娩で出生した。多発奇形を認め、頭部MRIで小脳虫部の形成不全と第4脳室の嚢胞状拡大を認め、心エコーで心室中隔欠損(VSD)、肺高血圧症(PH)を認め、染色体異常がないことからcranio-cerebello-cardiac(3C)と判断した。生後3ヵ月に他院での心臓カテーテル検査では心内修復の適応はないと判断されたが、当院で生後8ヵ月の左室造影では左室から右室への短絡を認め、酸素負荷により肺血管抵抗が改善したため心内修復可能と判断して生後10ヵ月に心内修復を行った。上行大動脈送血、上・下大静脈脱血により体外循環を確立し、心停止下VSDパッチ閉鎖術を行った。径8mmの膜性部周辺流出部型であった。肺生検で肺小動脈に中膜の肥厚を認めるが閉塞性肺血管病変はなく、術後肺動脈圧は十分な低下を得られると判断した。術後6ヵ月の心エコーで軽度PHは残存するが良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010