発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008236402
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前壁中隔急性心筋梗塞(AMI)に伴う心室中隔穿孔(VSR)患者3例(男1例・女2例・68~78歳)に対し、遺残短絡発生を防止する目的で貫壁性のマットレス結節縫合を多用したinfarct exclusion法を施行した。AMIの責任病変は全例左前下行枝で、VSRはanterior typeであった。AMI発症からVSR発症までの期間は平均3.3日、VSR発症から手術までは7.3時間で、2例は術前ショック状態であった。全例に大動脈内バルーンパンピング(IABP)を挿入し、2例には心室中隔へのsecondary patchを縫着したが、他の1例は穿孔部が心尖部に存在し、縫着困難であった。冠状動脈バイパス術は全例行わなかった。術後平均挿管期間は3.0日、術後IABP使用期間は5.7日であった。術後心カテーテル時の遺残短絡は平均肺体血流比1.02と少量で、心エコー上術後3~5ヵ月に消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008