発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013124374
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86歳男性。66歳時に緊急冠状動脈バイパス術(CABG)1枝が行われ、その後も大伏在静脈(SVG)の狭窄やほかの病変に対し多数のステントが挿入された。今回、受診1ヵ月前より労作時の胸部不快感が出現し、冠状動脈造影にてSVGの中枢側、末梢側吻合部に狭窄を認めた。対処として中枢側にDES(薬剤溶出ステント)を挿入し、末梢側へはバルーン拡張が行われたが、2週間後に胸痛が出現、再入院となった。入院後、冠状動脈造影を行なったところ、SVG末梢側には再狭窄が認められ、カテーテルによる治療は困難と判断し、OPCAB(再心拍動下冠状動脈バイパス術)が施行された。だが、術後9日目に心タンポナーデ症状が出現し、CTにて縦隔血腫が確認されたため、エコーガイド下にドレナージを行った結果、症状は速やかに消失し、患者は軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012