発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166465
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冠状動脈バイパス術(CABG)33例をoff-pump CABG(OPCAB)群7例とconventional CABG(C-CABG)群26例に分け,比較検討した.平均年齢はそれぞれ83.1歳,81.5歳で,両群に高血圧,糖尿病,腎機能障害などの高い術前合併率を認めたが,患者背景について両群間に有意差はなかった.手術成績は,手術時間がC-CABG群(平均281.0分)に対しOPCAB群(平均218.3分)で有意に短く,グラフト吻合数はOPCAB群(平均1.9本)に対しC-CABG群(平均3.8本)で有意に多く,完全血行再建率もOPCAB群(42.9%)に対しC-CABG群(84.6%)で有意に高かった.退院後の追跡期間(2~67ヵ月)中,いずれの群にも死亡例は認めなかったが,心事故回避率は1年・3年それぞれOPCAB群75%・75%,C-CABG群100%・84.6%でC-CABG群で有意に高かった.超高齢者においてもCABGの遠隔期は良好な予後が期待でき,低リスク症例では完全血行再建をめざすOPCABあるいはC-CABGを選択し,高リスク症例では低侵襲なOPCABを選択すべきと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005