臨床室
分節動脈損傷により縦隔血腫を生じた骨粗鬆症性胸椎椎体骨折の1例
亀田 隆太
1
,
加藤 雅敬
,
川上 甲太郎
,
高橋 正明
1国立病院機構東京医療センター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
胸椎
,
血管疾患
,
血腫
,
縦隔
,
縦隔疾患
,
脊椎骨折
,
X線CT
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Hematoma
,
Mediastinal Diseases
,
Mediastinum
,
Radiography
,
Thoracic Vertebrae
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Vascular Diseases
,
Spinal Fractures
,
Osteoporotic Fractures
pp.128-131
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014188448
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88歳女。転倒後の右胸痛を主訴とした。初診では単純X線で明らかな肋骨骨折を認めなかったが、その後右腰背部痛と嘔吐が出現した。胸椎単純X線像ではTh11-Th12椎体内にクレフトを有する骨折を認め、胸部単純X線像では右肋骨横隔膜角の鈍化を認めた。胸部CTでは縦隔血腫ならびに血胸があり、Th12左分節動脈からの造影剤漏出所見を認めた。入院後2日目までは貧血や低酸素血症に対して輸血や酸素投与を行ったが、全身状態が改善傾向を示したため保存的治療を選択し、第10病日より硬性コルセットによるギャッジアップを、第15病日より離床を開始した。第67病日までにCT上血胸ならびに縦隔血腫はほぼ消失し、腰背部痛も消失してT字杖歩行が可能となり、リハビリテーション病院へ転院した。その後2ヵ月でリハビリテーション病院を独歩退院し、近医通院中である。
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