発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013098752
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肺原発リンパ上皮腫様癌(LELC)に対して切除術を行った1例を報告した。患者は77歳女で、検診で右胸部異常陰影を指摘され、当科受診した。胸部X線で右中肺野肺門寄りに16mm大の結節影を認めた。胸部CTで右S2に結節影を認め、周囲にスピクラを伴っていた。FDG-PETでは結節影に一致して高集積が認められた。気管支鏡による右B2bからの擦過細胞診で腺癌系の悪性腫瘍を疑わせる所見を認めた。これらより原発性肺癌を強く疑い、手術を行った。腫瘍が肺門に近い部位に存在していたため手術は最初から右肺上葉切除術を行い、術中迅速組織診で腺癌と診断されたためリンパ節郭清術を追加した。切除標本の病理組織所見からLELCと診断した。Epstein-Barrウイルスの関与を示唆する所見は認められなかった。術後経過は良好で、補助化学療法は行わずに現在も経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012