発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012184032
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症例は60歳代男性で、検診の胸部異常陰影を主訴とした。CTで右肺上葉S1の胸膜直下に径約2.5cmの類円形の結節を認めたが、FDG-PETでは結節に有意な集積は認めなかった。肺の良性腫瘤と診断し、右肺部分切除術を施行した。病理組織学的所見で結節は少数の異物型巨細胞が混在する壊死に至った肉芽腫であり、その中の肺動脈内に虫体が認められた。虫体は壊死に陥っていたため、側索基部の角質突起が崩れ内部隆起が不明瞭であったが、腸管の細い形態像が認められることからミクロフィラリアと考えられた。以上より、肺フィラリア症と診断した。術後経過は良好で、術後4日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011