発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008116827
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61歳男。患者は人間ドックの胸部CTで右肺上葉に径1cm大の腫瘤影を指摘され、今回、精査目的で著者らの施設へ入院となった。所見ではアルコール性肝障害があり、腫瘍マーカーはCEA、SLXが高値であった。胸部CTでは右肺S1末梢に胸膜陥入とスピクラを伴う1cm大の結節影が認められ、縦隔条件では#3リンパ節腫大を認めた。手術を施行したところ、胸水や胸膜播種はなかったものの、右肺S1末梢に胸膜陥入に伴う腫瘤がみられ、これを部分切除して迅速病理診断した。その結果、扁平上皮癌の診断が得られ、右肺上葉切除、縦隔リンパ節郭清が行われた。#3リンパ節は腫大しており転移陽性と考えられ、肉眼的所見では胸膜下に長径9mm大の白色調充実性腫瘍を認めた。病理組織学的所見では、高分化扁平上皮癌であり、郭清したリンパ節のうち#3~#4、12Uリンパ節に転移を認めた。以上より術後は放射線照射が行われたが、特別な合併症はなく、目下、2年9ヵ月経過で再発はみられていない。
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