発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013098749
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当施設では、腋窩動脈送血を用いた手術を施行する際、術中の中枢神経系の虚血性変化を早期に検出すべく、近赤外線による脳内局所酸素飽和度(rSO2)測定を行っている。今回、過去5年間に腋窩動脈送血を用いて人工心肺下手術を行った84例のうち、腋窩動脈送血時にrSO2の異常低値を認めた3例を提示した。3例ともrSO2低値の原因は術中に新たに生じた「弓部大動脈と分枝の解離」による脳循環不全と判明した。2例では術野所見や送血圧などからは異常を察知することができず、rSO2低値が唯一の所見であったことから、rSO2の測定は脳循環不全の診断に有用と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012