発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013095085
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56歳男。前縦隔腫瘤影の精査を主訴とした。胸部造影CT所見にて前縦隔に20×18mm大で軽度の分葉状を呈し周囲との境界が比較的明瞭な腫瘤を認め、PET-CT所見にてFDGの軽度集積を認めた。以上の所見より、正岡病期分類I期の胸腺腫を疑い、胸骨正中切開にて胸腺腫胸腺全摘術、腫瘍近傍の一部縦隔胸膜の合併切除、左右の前縦隔リンパ節摘出を行った。病理組織所見では短紡錘形の腫瘍細胞が種々の大きさの胞巣を形成し、間質には様々な大きさのリンパ濾胞の過形成を伴うリンパ組織を認めた。免疫染色ではリンパ濾胞の胚中心はBCL-2陰性で、CD20陽性のB細胞は濾胞に一致した結節状の陽性像を認め、濾胞間にCD3陽性のT細胞を多数認めた。以上の所見より、リンパ性間質を伴う小結節性胸腺腫(MNT)正岡病期分類II期、TNM分類II期と診断した。追加治療はせず、術後1年1ヵ月現在、再発は認めない。
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