発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010155776
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39歳女。他院にて前縦隔腫瘍を指摘されて紹介受診し、胸部CTにて前縦隔に35mm大の腫瘤と、右胸腔内に5~25mm大の結節を12個認めた。傍椎体部腫瘍の生検では正岡分類IVa期、typeB1の胸腺腫が疑われたため、胸骨正中切開・両側開胸で拡大胸腺摘出術を施行し、さらに後側方切開・第5肋間開胸で右胸腔内腫瘤を可及的に切除した。いずれの腫瘍も病理組織学的に腫瘍性上皮細胞が多く、比較的異型の強い細胞が存在する部分があり、血管周囲腔の周囲で腫瘍性上皮細胞の柵上配列を認め、type B2と診断した。術後30日よりシスプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミドによる化学療法を4コース施行し、2年経過して無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010