発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012356922
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31歳女。労作時呼吸困難、起坐呼吸を主訴とした。近医での心エコー、CTで著明な心嚢液の貯留が認められ、心タンポナーデと診断された。心嚢穿刺で血性心嚢水を排液され、症状は軽快したが、精査目的で転院した。心嚢液の細胞診はclass IIであった。右心不全によると思われる軽度肝機能異常を認め、造影CTにて右房に接して内部が不均一に造影される50×35×30mm大の軟部腫瘍を認めた。下大静脈や房室間溝への浸潤、および遠隔転移は認めなかった。腫瘍生検より血管肉腫と確定診断した。腫瘍切除術を施行し、術中迅速病理診断で断端陰性を確認した。術後、放射線療法を開始し、術後42日目に退院した。しかし、肺動脈主幹部左側に転移し、術後177日目に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012